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イッツ・ア・ビューティフルワールド / ムラサキ


遅まきながら『ムラサキ』コンプしたんすよ。
6面であまりに死ぬのでSTGの腕落ちたなーと心折れかけたところ、頭のなかのジョルノ・ジョバーナが「暗闇に道を開くのは覚悟のある者だけだ…」とか陰気な顔でボソボソ言うので、コンプするまでは他に何にもしないと覚悟して臨んだら何とかなりましたが、電波少年で応援するチームが勝たないとごはん食べられない企画でベイスターズ応援する人みたいになるところでした。


ところでこのゲームは完璧なので、なにか言うとモナリザがなぜ美しいかを言語化するみたいなナンセンスな感もあるのですが、そんなこと言ってしまうと終わってしまいますので適当になにか言います。
簡単に説明すると、ムラサキはカタテマが先月リリースしたパズル風味STGです。やらないと人生損します。でもインターネットで見る「知らないと損する10の知識」みたいなの知らなくとも損をしたことが一度もないので、やっぱり損しないと思います。結局ゲームはこれに尽きると思うのですが、感覚でビビッと来たなら遊んでみよう。


弾幕STGを大雑把に分けると回避系と弾消し系があると思うのですが、ムラサキは弾消し系に分類されるSTGです。弾は常に1発ずつしか撃つことができません。赤い丸や青い丸のブロックがランダムに湧いてくるので、ビリヤードみたいに突いて同じ色のブロックに当てて連鎖させて敵弾を巻き込んで大爆発させるのです。巻き込んだの数が多ければ多いほど爆発の範囲が広がって大量の敵弾を消し消しできます。この辺の破壊感は、上海アリスの妖精大戦争が近いかもしれません。
ブロックは爆発させると当然なくなってしまうので、また湧いてくるのを待たねばなりません。その間、自機の殲滅力と弾消し力が著しく弱まってしまいます。ということは、むやみに弾を撃たないでブロックを貯めるというリソース管理がこのゲームのキモになるわけです。基本的にはブロックを貯めて要所で大爆発を狙いつつ、状況によっては小爆発で敵弾を消していくのがオーソドックスな感じですかね。ただなかなか上手くいかないもので、思ったより爆発してウエッヒッヒになることもあれば、思ったようにブロックが弾き飛んでくれなくて連鎖にならないこともあります。「このタイミングで撃つんじゃなかったなー」みたいに思うシーンが頻繁に出てくるゲームです。
言い換えると、常にプレイヤーにちょっとした選択肢を突きつけ続けてきて、その結果後悔が起きやすいゲームだなーとは思いました。そもそも撃つか撃たないかというSTGとしての原初的なところから選択肢を突きつけてきますし。

後悔という感情の備わったゲームは良いゲームです。やり直す際に苦痛でしかないゲームってたまにありますけど「こうしとけば良かったな」みたいな思いが起きないゲームのような気がします。シヴィライゼーションなんかは猿みたいに繰り返しプレイしちゃいますけど、「こうしとけば良かったな」という後悔があらゆる状況でバナナみたいに叩き売りされているからじゃないですかね。猿はそのバナナを食らい、朝が来て、日が昇り、仕事をサボるのです。
その点、人生とかいうゲームは後悔だらけなので一見良ゲーのように見えますが、ご存知のとおりクソゲーです。やはり後悔だけじゃ良ゲーにならないのかもしれません。何が違うかって、やり直せるか否かですよね。大事、リプレイ性。

失敗した事実を何かで上書きするのが楽しいのでしょう。どうか失敗はなかったことに。人生だってやり直しがきくなら良ゲーになりえます。人生がクソゲーな理由はこの1点。そこでメリケンは考えた。教会に行って懺悔をしよう。人生はやり直しがきかない代わりに「許された」という事実で上書きすることが可能です。ありがとう神。サンキューゴッド。
ムラサキ遊んでても判断ミスによる無数の失敗が生まれますが、無限のリトライで上書きしましょう。その一つ一つが正しい判断となって、正解の積み重ねがクリアへの道となります。小さな後悔を叩き潰すことができるのはゲームの特権。


ところでSTGには無駄に悲惨な設定という伝統がありますけど、ただでさえ鬱な裏設定に満ちたカタテマゲームにおけるSTGはどうなのかという疑問はありますが、当然無駄に悲惨な設定ですので安心して遊ぶことができますね。この手の裏設定はゲームを進めて条件を満たすと読めるようになって、だんだん背景が明らかになっていくようになっています。人間、一気に情報与えられてファルシがルシとか言われても困りますので、この辺ジワジワ情報を与えていかれると否が応でも没入感は高まります。テキストも少ない情報量ながら、身の締まった秋のサンマみたいな無駄の無さ。世界設定が実によく練られている感が、短い文章から漏れてきます。あと人物描写が個人的に非常に好みで、状況狂ってるのに自分勝手にマイペースで生きてる人たちが多くて好きです。

カタテマのてつさんは、「魔王物語物語のつくりかた」という同ゲームの制作についてまとめたPDFを作成されていて、その中にこういう一文があります。
「世界を歩かせる」
まず世界ありきで、そこをユーザーが歩き、結果的にシナリオになりゲームになるという考え方です。

ムラサキは、ゲームを構成する一連の要素に調和感があって、それそのものが美しく、普段温厚な私もついつい「完璧!完璧!ムラサキしゅきぃ!しゅきぃ!!」と取り乱してしまうのですが、ゲームを作る前に、先に世界が存在するからこその調和感なのかもしれません。
その世界描写の行き着く先がラスボス戦で、その演出は、東方厨的な表現をすると(ちょっとベクトルが違いますが)妖々夢の幽々子戦以来の衝撃がありまして、生きててよかったと思いました。自殺しようと思ってるなら自殺する前にムラサキ遊んどくと良いです。
初めてラスボス戦をプレイしたときは「えっ」となるかもしれませんが、腑に落ちないことがあったとしてもWikiなんかを見ないようにしてコンプまで繰り返しプレイすることをおすすめします。これだけ素晴らしい世界ですが、初見の感動は一度しか味わえないという欠点があります。
グーグルストリートビューなんかで旅行した気になってるのはもったいない。旅はぜひ、自らの足で。
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