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ゲーム業界各社決算まとめ - 2009年秋

「私、ゲーム会社に就職する」
ネズミが来場者の懐目当てに跳梁跋扈する夢の国において、彼女は突然そう言い出した。
ゲーム会社である。聞いたところによると、開発者たちはゲーム発売の直前ともなると会社に椅子を並べてベッドとし、家には帰らずジャーで炊いたままのお米は発酵して酒と化し、お風呂は大江戸温泉物語に入り浸りというではないか。歴戦の猛者である開発者たちはそのような環境もものともせず、我々に良質なゲームを日々提供してくれているのである。
しかし、私には止める権利は無いのである。彼女には彼女の人生があり、彼女が決めたことに私が干渉するのは罪である。彼女がアイスクライマーになりたいと言い出しても、私は上っていく彼女を下で応援するくらいしかできないのだ。
私にできることはただ一つだった。
ゲーム会社の財務を分析し、収益性を見通し、将来性に思索を巡らし、彼女に伝えることだった。
それこそ、私が半期毎にこうしてゲーム会社の決算書をせせと集める発端であり、動機であった。
でも書いてて何かおかしいなぁと思ったら、そもそも私に彼女はいないし、彼女に見えたのはただの天井のシミだった。おわり。

てなわけでっ。恒例のアレです。

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赤字転落。ABS起動するんじゃねーのとでもいうべき急ブレーキ。
何が悪いってゲーム事業が悪い。いつもならここでゲーセン!ゲーセン!などとゲーセン沈滞説を飽きもせずクドクド始めるところなのですが、今期については コンシュマーがこけていました。セグメント別業績によると、同分野は昨年度トントンでしたが、今年は-67億の赤字とのこと。
前年の中間期が55億の黒字ですので、ほぼコンシュマーにやられた感じ。むしろゲーセンは売り上げが400億→337億と減少しているにも関わらず、営業 利益はトントン(10億)だったりして、大健闘。不採算店舗の撤退によるコスト削減が数字として現れてきたように見えます。頑張った!
短信にも、ToV以外苦戦しましたと書かれているように、思い起こせばバンナムのゲームでパッとしたのは出てなかったなぁという印象。ドラゴンボールの穴はとらドラポータブルじゃ埋められなかったね。
公式ページの総合ゲームカタログ」 から今期発売したゲーム見てるとWiiのバーチャルコンソールのゲームが多いんだけど、これちゃんと儲かってるのかね。どうもWiiのターゲットユー ザーってのはネットに繋いでガンガンゲーム落としたりするようには思えないんだよなぁ。偏見かもしれんけど。むしろボタンをぽちっと押しただけでお金が飛 んでいくのは、良くわからんので怖いという反応が多いんじゃなかろうか。
やっぱりDLCで稼ぐなら、体操服のグラフィックに嬉々として大枚叩いてくれるピュアな心を持ったお兄ちゃんのための、あのデケェ箱に限るね!
夢倶楽部のなりふり構わぬDLC戦略で市場が席巻されている今、本家本元の逆襲はあるのでしょうか。
思わず目を覆い、耳を塞がんばかりの泥沼の戦いを期待したいですね!

ちなみにトイホビー部門で、アメリカ・ヨーロッパ・アジアで「BEN10(ベンテン)」が好調だったとか書かれていたので、ググってみるとどうもこれらしい
全く知らんかった。気がつかないうちに世界の流行に乗り遅れてたらしい。左のおっさんの中身が「実は美少女キャラだけど、おっさん萌えが高じるあまり普段はおっさんのきぐるみに入っている」みたいな裏設定が無い限り日本だと通用しないと思います。

せっかく付けたので財務の話をしないといけません。
B/Sは綺麗であまり突っ込みどころがないので、もっと借金して打って出て欲しいと思いました。でも、金借りて箱物(ゲーセン)作ってたら儲かるような時代でもないので、資金の使いどころが難しいよねと思いました。

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最近思うのです。セガの決算を見ることができなくなったとき、私は生きる楽しみを無くしてしまって死ぬんではなかろうか、なんて。ゲームそのものを楽しむより、決算の数字をニヨニヨして見つめだすともう末期です。来世での活躍に期待しましょう。

さて、セガ。
パッとみ凄く悪くなっているように見えるのですが、実は案外そうでもなかったりするのです。前年同期はこの時点で84億の赤字だったりするので、そこから黒字まで持っていった昨年後期のような勢いはないものの、それなりに立て直ってきていると見ていいでしょう。まぁ回復の主要因がパチンコ・スロというあたり(営業利益-10億→108億)ゲーム側から見てる人間としてはコメントに困るのですけれども。

ゲーセン事業は大型タイトルがないことや、店舗の閉鎖もあり売上大幅減(前年同期716億→今期468億)。営業利益は概ねトントンといったところ。バンナムと同様ゲーセンの店舗運営は縮小を志向していますが、これだけネットが普及して対戦相手も自宅で探せる世の中だと仕方のないことかもしれません。むしろ未だトントンまでしか縮小できていないわけで、事業として見れば十分失格。残念ながら、市場規模相応となるまでもう少しの間、ゲーセンの閉鎖は良く見られる光景であり続けるかもしれません。

コンシュマーでは会計方法の変更がされています。従来は、開発費等が発生した場合は発生時に売上原価に参入していましたが、今期より製品化が承認されているものについては仕掛品として計上しているようです。
簿記をやっていない人にはわかり辛いかもしれませんので、簡単に解説します。
ゲームを開発する際は、先に経費(人件費や機材費等)が発生し、完成した後に売上が発生しますよね?そのため、開発期間の長いものについては前の決算期で費用だけが生じて、次の決算期間で売上だけが生じるという歪な計上をしてしまう場合があります。
そのため、開発中のタイトルについては、かかったお金を資産として一時的に計上して、販売時に費用として計上するという手法をとることで、時期的に売上と費用を直接的に対応させ、適正な収益管理を行うことができるようになります。建設業なんかも工期が長いため、「未成工事支出金」という形で資産計上しています。
今回、セガはこの手法を会計に導入したため、開発にかかったお金が仕掛品勘定として33億ほど資産計上されているため(これまではこの時点で費用計上)、対応し外注への前渡金12億と利益21億が生み出されています。

ちなみに、コンシュマーの前期主要タイトルは「VirtuaTennis2009(欧米・88万本)」「TheConduit(欧米で27万本)」だったりするあたり、私の知っているセガのイメージからかけ離れてて、もっとイカしたゲーム作って欲しいと願わんばかりです。

それにしても来期の業績予想は期初の発表時から変わらず。一体その自信はどこからやってくるのでしょう。さすがセガです。
一見どれだけすばらしいソフトに見えても、箱ゲーの売上本数には期待してはいけない。我々はそれを学んだはずです。
しかし、前向きにこう思わざるを得ません。

カマキリ売れるよね!?ねぇ、売れるよね?売れるって言ってよ!
発表のときはあれだけ壮大だったのに、Twitterやりだしたあたりから妙に地に足が着いちゃって、ユメもキボーもありません。

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今やヤクルトと並ぶ健康促進企業。
冗談です。冗談ですが、あながち空論でもないのが今のコナミ。ワイワイワールドとか作ってたあの時とは違うのです。ウイイレがバグまみれでも気にしないのです。ゲームより健康のほうが大事に決まってるだろうが!
嘘です。言い過ぎました。怒らないでください。

売上を見ると大きく落ち込んでいるように見えますが、前年比-44.7%と大きく落ち込んだゲーム部門によるところが大という状況です。メタルギア4の穴は、ラブプラスでは埋まらなかったようです。がんばれ大きなおともだち!
健康サービス事業は概ね前年並みで、さすがに安定しています。今や比率で言ってもわずかにゲーム部門が上回っているだけになってしまいました(ゲーム514億、健康サービス433億)。というより、ゲームの売上が異常なくらい落ちているだけなんですけどね。
前期の主要タイトルとしてはプロスピ6、パワプロポータブル4やラブプラスといったところでしょうか。

財務は、さすがにスポーツクラブ抱えてるだけあって、他社と構成が異なり固定資産が大きいですね。ハードに生きてるソフトメーカーなのですね。

余談ですが、高校の頃パワプロのサクセスモードに青春を破壊され、大学時代にはウイイレの対戦で単位を破壊された私は、この企業が無ければ、もっと素敵な人生を歩めていたに違いないのです。多分今頃札束の風呂に入って、雑誌広告に出ていると思います。
全盛期のコナミはそれ程恐ろしい企業だったのです。大豪月様にはどれほど時間を献上したことでしょう。
それと比べると最近の元気のないコナミが少し寂しく感じられるものです。今度のウイイレは若者の健全な生活を破壊するパワーを持っているのでしょうか。

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ゲーム業界は改めて恐ろしい業界だと思います。片や数千本しか売れない良作がある一方で、数百万本売れてしまう作品がある格差の大きな業界です。
実際のところ、メジャーなタイトルだから面白いというわけでもなく、あくまで「面白い確率が高いだけ」でしょう。日本で一番売れるタイトル=日本で一番面白いタイトル、ではないでしょう。
けれど、出せば売れるのです。必ず。

ここまで筋書き通りに行くとは。ドラクエ恐るべし
強気の業績予想でしたが、これがドラクエのもたらした結果でした。やはり売れるのです。あれは。ドラクエⅥのリメイクも出ますが、きっと次も売れるのでしょう。

ちなみにセガのところで前述した開発中にかかった資金の仕掛勘定ですが、スクエニにおいては「コンテンツ制作勘定」として資産計上しているのがそうではないかと思います。すると、「コンテンツ制作勘定」に計上された費用は、対応するソフトが発売されてはじめて費用計上されることになります。
同勘定は今年3月の184億から9月の259億と増大しており、もちろんこれは年末のアレにかかるものが大きいんだろうなぁと。やっぱ金かかるんですな、アレ。
考えようによっては、リメイクで金を稼ぎ、シリーズ新作の超大作につぎ込み、さらにブランド力を高める、という好循環を作ってるように見えなくも無い。

と書いたとたんこんな情報も。年末に出る大作ソフトってやっぱアレのことですよね…。
早期退職は主にタイトーの建て直しだと思うので、関係ないとは思いますが。むしろ体力のあるスクエニがタイトーの後退を支えてるという構図が正しいかと。タイトー単体だとようやらんかったでしょうし。

なお、「Eidos.LTD」の株式を取得し、連結に組み込んだことも今年の売上増の要因と思われますが、同社の売上高については内訳が記載されておらず不明です。ですが、今期の営業利益の99%は日本国内で稼いでおり、影響は微細で、考慮の必要性は低いでしょう。

こうして考えると、経過順調であるばかりか残弾も十分有しており、年度末に向けて視界良好な数少ない企業であると言えそうです。

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右肩上がりの前期までに引き続き、今期もモンハン3やBASARAが堅調だったこともあり、そこそこの利益確保に成功しています。一方、開発費20億という噂のバイオニックコマンドーがえらいことになってたりするあたり、引き続き絶好調とまではいえなかったようです。モンハン3も早速ワゴンの常連になっていますし、2ndGみたいに長期に渡って利益に貢献するということは無さそうです。

前期も中間時点だと今期より悪かったですが、ここからバイオ5を発売して一気に巻き返しました。今期に残る大物はロスプラ2あたりでしょうか。これがヒットするかどうかに業績予想の達成がかかりそうですね。

ちなみに当社のゲームソフト仕掛品勘定については前期104億→今期131億と増加傾向。デッドラ2やらロスプラ2やらそのあたりが主でしょうか?

ゲーセン運営事業については前年比で売上減(68億→62億)、営業利益増(2.3億→4.8億)と店舗縮小によるコストカットで利益確保と、他社と似たような傾向。

カプコンのIRはさすが表彰されるだけあって、ページが見やすくて会社についての情報発信についてはしっかりしています。とても同族企業とは思えないクオリティで相変わらず素晴らしいです。しかし短信で「歴女(歴史好きの女性)」なんて単語を見ると思わなかったわw

あとはデッドライジング2だけれども、一体いつ発売するのかしらん。

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ついにテクモと統合し、社名が変わってしまいました。
しかし、赤字でした。金儲けの効率の良さにかけては関東八州に名を馳せ、無敵を誇った我らが無双メーカーが赤字でした。一体どうしたことでしょう。一時期の巨人軍の四番の如く、無双が足りないとでもいうのでしょうか。

種明かしをすると実はそのとおりで、前期は「真・三国無双5 Empires」くらいで、本当に無双分が足りなかったのです。そのほか目立ったところでいうとニンジャガ2が出たくらいで、主要タイトルがそもそも出てなかったのですね。やっぱり無双が足らんかったのです。
その点下期はWiiで戦国無双3が出るので安心です。とりあえず無双さえ出しときゃ安心です。無双最高や!ニンジャガなんて最初からいらんかったんや!です。

…個人的にはそろそろウイポとジーワンジョッキーの新作をお願いしたいのですが。
ジーワンジョッキーなんて、4を発売した後
「ジーワンジョッキー4 2006」
「ジーワンジョッキー4 2007」
「ジーワンジョッキー4 2008」
とか毎年やられて、そろそろ泣いちゃいそうです。ウイポもあまり状況は変わりません。本当に面白いゲームで、大好きなのでそろそろ新作を遊びたいです。

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ちょうど7月決算が出ました。来期の業績予想含めペルソナ効果も切れてほっと一息といったところでしょうか。来期の売上については大幅減を予想しています。「コンテンツ関連分野に積極投資を行うことにより、資産効率を重視した経営スタイルへと大幅な業務転換を図る」ことを短信で謳っています。RoAを重視する今風の経営スタイルと言えそうです。
アトラスといえば、プリクラの開発会社として有名ですがついにゲーセン関連事業からは撤退してしまいました。まさに業態転換の象徴ともいえる出来事でした。
バランスシートもギュッと圧縮されて、小さいこと小さいこと。

PSPのペルソナ3売れてるみたいですけど、来期予想、本当にこんなもんなんですかね。

そういやいつの間にかゴンゾロッソ買ってました(PDF)

なお、前回も言いましたが、アトラスの株主通信「ATLUS TODAY!」は非常に秀逸なので一見の価値ありです。株主でなくとも見ることができます。

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中間期はどうなることかと思いましたが、9月にイース7を出せたことで黒字確保に成功しています。残弾はこれで撃ちきってしまったらしく、次の中間期については赤字予想で、年度末の大型タイトルで黒字転換と、今期と同じような展開を予想しています。期末に何とか間に合わせて、期初にはすっからかんなんて、私の営業成績を彷彿とさせます。
んで、肝心の年度末の大型タイトルですが、どうも補足資料見るに英雄伝説の新作のような感じ。資料には「英雄伝説のシリーズ最新作がいよいよ登場」と謳ってありました。

はい買ったー!
なんだかんだ言ってもスクウェアのJRPGに囲まれて育った世代ですので、未だに当時の雰囲気を残したファルコムが逆に独自性を発揮できている状況においては、ファルコムのRPGには飛びつかざるを得ません。

ちなみにイースオンラインは韓国でもこけているようです。19年11月より韓国でもサービスを開始していますが、収益性の悪化により資産の減損損失を計上してたりします。日本でも今年の5月からサービス開始してたらしいですが、とんと噂は聞きません。どうなっているんでしょう。

相変わらず財務は健全で資産17億のうち現金が12億弱。期末にイースを発売したので売掛金が3.6億と膨らんでいますが、これが前期末並みの1.3億に落ち着くとすると、やはり14億程度の現金が手元にあることに。
借金もないし、どうするんでしょこれ。中小企業だと良くありますが、上場企業の決算とは思えんなぁ。
しかしイラストコンテストとか未だに公式でやってたりするあたり、大手にはないノリは素晴らしいです。

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せっかくなので前回から+1社しまして、おぱんつサイクロン社をエントリー。
22/5期の第1四半期の短信は出てたりするのですが、期間が短いので21/5期決算までの記載としました。

ケイブといえば、蜂やぱんつを連想される方が多いことかと思われますが、今や主力事業はオンライン事業で「真・女神転生IMAGINE」が主力商品だったりします。直近期のオンライン事業の売上高は1509百万円、営業利益は373百万円と、利益の多くはネトゲで搾取確保しています。
「ゲーム開発事業」としているアーケード向けゲーム事業は売上608百万円と全体からすれば小さなもので、コインいっこ入れるじゃあ通用しないんだよお坊ちゃんです。
かといってコインにこ入れるになってしまうと、私の財布がえらいことになるので勘弁して欲しいものです。

オンライン事業にはこれからも経営資源を重点的に投入していくとのことで、どうやらぐわんげ2は望めそうもありません。XBLAでのぐわんげはどうなのかなぁ…。出してくれると嬉しいですが。

そういやまたケイブ祭りやるみたいです。

 

総括。
個人的には全体的に予想以上の落ち込み。金融危機の余波による個人消費の落ち込みは十分に予想されるところではありますが、単価の低いゲームでここまで落ち込むとは。ただ前期に主要タイトルが不足していただけだったらいいんですが。
相変わらず、短信の書き出しは「金融危機が~」ばかり。金融危機関係なしに売上落ちて当然の会社もあるような気もしないでもないんですが。
ゲーセンの撤退傾向は変わらずも、採算の見直しで事業としては立て直ってきているところが多いですね。マーケット全体として語った場合、まだ暗い話題は多いとは思いますが。
あと、書きすぎました。だいぶ削ったつもりではいたんだけれども、テキストだけで14kb程になってしまい、反省。

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