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当たり判定ゼロ シューティング成分を多めに配合したゲームテキストサイトです

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モバグリ、その商材は古く、その市場は新しい

DeNAとGREEが儲かってます。ちょっと前にまとめたとおり営業利益は50%前後という水準なのですが、この50%という数字は企業としてあげられる数字として類を見ないほどの高水準と言えます。
 
両社の商売道具はともにソーシャルゲームです。ソーシャルゲームはわりと新しい商売であるため、それを遊んだこともないオジサン連中が「なぜ儲かるのか…」「コミュニティが…」「承認欲求が…」とせっせと分析しています。まぁしょうがないです。この業界は分析する人と主要ユーザーの層の世代がどうしても異なるので。
でもこの手の分析記事は、TVニュースのゲーム解説で聞くような「このゲームはプレイヤーは主人公になりきって悪の大魔王を倒すのが目的である」みたいな、間違っちゃいないけど何言ってんだ、みたいな印象をプレイヤー層に与えるような気がしています。人間ってホント解説されるの嫌いですよね。
 
とはいえ、かつてのネトゲ廃人から見た今のソーシャルゲームってのも書きたくなってしまったので、書きます。
 
そもそもなぜ人は無料で遊べるゲームに課金をするのでしょう。
せっかく無料で遊べるのだから、モバゲータウンのサーバーが悲鳴を上げてダウンするまで遊び倒してやればいいのに。
かつて1本1万円くらいしたゲームが今や無料で遊び放題ですよ!無料!そりゃカネなんて一銭も払わんわゲハハハ。こんな慈善事業みたいなサービス始めるなんて南場はん、あんたアホでっかwww
 
…え? DeNA儲かってる? みんな課金してんの? なんで?
南場はんすげえ!アイテム課金最高や!月額課金なんて最初からいらんかったんや!!!!
 
どうも人は課金をする生き物みたいなのです。
思うに、課金をする理由ってこんな感じに整理できるのではないですかね。
  • 褒められたい
  • 楽をしたい
  • 飾りたい
褒められたい
いわゆる承認欲求ですね。モバゲーもGREEも、アカウント作成直後から他のプレイヤーと同じサークルに簡単に加入できるような仕組みが構築されているため、マズローの欲求段階説でいうところの「社会的欲求」まではほぼ満たされた状況から始まるのです(まぁ一応SNSですし…)。昔のネトゲはギルドに誘われるのですら大変だったことからすると夢のような話です。現代のネトゲでは、仲間を作るコストは大いに下がったのです。
承認欲求を満たそうにも、褒めてくれる相手がいなければどうしようもありません。コンシュマーゲームはCPUがプレイヤーを褒めてくれましたが、人が人を褒めるゲームがソーシャルゲームです。コミュニティに属したプレイヤーが多ければ多いほど、承認欲求を動機として課金に手を出すプレイヤーの数が期待できます。だから胴元は、まずプレイヤーが自分を認めてくれるコミュニティを見つけることに協力しなければならないのです。
でもこの動機で課金をしているのは、一部の廃人上位プレイヤーだけだと思います。
 
楽をしたい
ソーシャルゲームは、すべてのゲームがコミュニケーションを前提としているわけではありません。ほとんどのゲームがコミュニケーション不要で遊べるのが、今時のソーシャルゲームの特徴でもあります。「ぶっちゃけゲームでまで人と接するのメンドイわ…」そんな人達にもモバゲータウンの搾取が忍び寄ります。逃げてー!お財布が危ない!
時間かかるゲームが多いんですよね、基本的に。箱庭系のゲームとかオブジェクト建設の指示を出してから30分待機とかザラですし。
また、カード系のゲームでもチマチマチマチマお客様の貴重なお時間を浪費せずとも、なんとすぐに強力なカードを手にすることができます。たった300円でいいんですよ?真面目にこのカードを入手しようと思ったらあと何時間かかると思っているんです?ね?時給換算したらお得でしょう?そんな誘惑。
少し前にテイルズオブヴェスペリアのDLCでカネを払えばレベルを買えるというのがありましたが、メソッドとしては同様です。コンシュマーの訓練されたゲーマー連中がどれだけ買ったかは知りませんが。
水はなぜ高いところから低いところに流れるのか?
それが楽だからです。
 
飾りたい
人間には装飾欲求ってあると思うんですよ。家のインテリア考えるの楽しいですし、インテリア系の記事って案外ブクマつきますよね。2chのデスクトップ晒しスレとか部屋晒しスレは多くの板で盛況です。建築や街づくりが好きなのも、その延長で考えて良いと思います。
課金アイテムってオシャレなものが多いんですよね。いかにも汎用性のなさそうなデザイン。自分だけのアイテム。もちろんそれはコミュニティの中での承認にもつながりますが、ゲームしている自分の満足度向上がなによりの効果です。やっぱ、かわいい格好した女の子キャラ動かすのはそれだけで楽しいじゃないですか!
コンシュマーのDLCでもこのタイプの有料配信は多いです。最近は無双シリーズですらサンタコスプレしてますが、これに特化した顕著なものはアイマスではないですかね。人間は本質的に着せ替えが好きなのだと思われます。やだ……いやらしい……。
というかSNSのアバターの着せ替えがそもそも有料です。人は他人を印象で判断しますから、アバターに良い服着せることは、コミュニティ内で信頼を得るためには重要です。
あなたは、Twitterで初めて見た初期アイコンの相手をどれだけ信用しますか?(平野耕太除く)。そりゃ出会い厨も相手の信頼を得るために、課金で得たコインでアバターをゴテゴテ着飾ろうというものですよ。何も課金をするのはゲーマーだけではありません。
 
とまぁ、課金がプレイヤーに与える効用というものはこんなところでしょう。
しかし、それはDeNAをDeNAたらしめた、またはGREEをGREEたらしめた本質そのものではないのですよね。このようなモデル自体はMMO創世記レベルの昔からあるわけで、一朝一夕で現れたものではありません。ここらで簡単にゲームへの課金の歴史を振り返ってみましょう。
 
現ナマをブッこんでプレイヤーに快感を与えるゲームは今に始まったわけではなく、古くはUO(ウルティマオンライン)まで遡ります。
UOの大きな特徴の1つとして、不動産を持つことができるというシステムがありました。プレイヤーは高額の権利書を買って、空き地を自分のものにし、自分の家を建設ことができるのです。とはいえ、サーバー内の土地は有限。大きな家を建てようと思えば、他のユーザーと交渉して巨額の資金と引き換えに土地を譲ってもらわなければなりません。家の大きさは、そのままそのプレイヤーの資産状況を反映するようになりました。まるで現実と同じシステムがゲーム内に出来上がったのです。マジ資本主義。
もしUOが食糧費など生活費を必要とするシステムだったら、私のキャラクターは確実に餓死していたと思われます。くたばれUOブルジョワ!!
 
さておき、UOは当時のネトゲとしては爆発的なヒットを収めました。ユーザーは増加していく一方、土地の枯渇とともに地価はどんどん高騰していき、巨大な家を所有しているプレイヤーは羨望の目で見られるわけです。ああ、私も皆からチヤホヤされたい!!もっと褒めて欲しい!でも大きな家を買うお金はない。どうすればいいか!?
なぁに、札束で顔引っぱたきゃ大抵の問題は何とかなるんですよ。そう、僕らの味方、諭吉先生の登場です。
カネでカネを買う。なんだかアホらしいですが、いわゆるRTM(リアルマネートレード)が活用されるわけです。私が知っている中でも、百万円単位でRTMにカネを投入し、ゲーム内に城を買った人もいます。
そりゃまぁ城ですよ城。自宅が城。当時のゲーム内における城の価値というものは私達にとってすごいものでした。「~は城を持っているらしい」みたいに他人の話のタネになることもありますし、自宅にメンバーを招いてギルドの集会とかできちゃいます。わかりやすく言うとグラットンソードよりすごいのです。
 
彼は、他人の承認と自分の時間の節約をカネで代替したわけです。
このときカネの流れはプレイヤー⇔プレイヤーとなっています。UOはRMTを禁止してはいませんでしたが、EAがプレイヤーに直接的にカネで不動産を売るということもありません。UO以外の多くのゲームではRMTは禁止され、運営を介さないアンダーグラウンドでやり取りをするのが通常でした。
ゲームを遊ぶという通常の効用は運営への月額課金で、追加の効用を他のプレイヤーへのRMTで獲得していたということですね。
 
そのRMTの行き先を変えたビジネスモデルを構築したのが、アイテム課金と呼ばれるモデルです。アイテム課金は韓国において爆発的に普及し、その後日本にもハンゲームなどを通じて文化が輸入され、月額課金のゲームを一蹴しました。韓国ゲーがネトゲ市場を一世風靡したのです。
月額課金のモデルでは、ゲームを遊ぶという通常の効用を得るためにカネを払う必要があります。
一方、アイテム課金のモデルでは、ゲーム自体を遊ぶという効用は無料で得ることができ、追加の効用を得るときに初めてカネが必要となるわけですが、この時のカネの行き先が他のプレイヤーから運営会社へと変わったのです。プレイヤーがRMTを行う理由は、「ゲーム内での価値を手に入れたいから」であることに着目したモデルで、言ってみれば運営会社がRMTの相手に代わったようなものです。運営会社はゲーム内の価値に現金を投入する一部ユーザーを探し当てるために大量のユーザーを囲います。そのユーザー構造はまるで漏斗の形にも似ています。
 
多くを占めるライトユーザーは、別にそこまでゲームに興味がありません。カネを払わずに時間を潰せるに越したことはないのです。
アイテム課金システムはそこをうまくついた形で、無料を武器に月額課金システムからゴソッとユーザーを奪って行きました。
同時に、この頃は高速回線の整備によりネットユーザーが一気に増加した時期でもあります。この後発のネットユーザーは、重たく濃い月額課金ゲームよりも、今風でさっぱりしたアイテム課金ゲームに流れていった印象を持ってますね。ここでアイテム課金をベースとしたゲームの主要な供給元として登場するのがハンゲームです。
 
今のソーシャルゲームのモデルは、このハンゲームの時代に概ね完成しています。
「無料でゲームが遊べる!!」という誘い文句にホイホイと着いていったユーザーは、自分のアバターを作り、ゲームを遊びます。次第にハマった一部のユーザーが、ときに承認欲求を得るために、ときにゲーム内で楽をするために、ときにアバターやキャラクターを着飾るためにお金を使う仕組みがあるのです。今のソーシャルゲームと全く同じです。
私もクーを着飾るために「ガチャッとポンタ」にカネを投じて、ガチャガチャをたくさん回してたくさんの消耗品を手にいれてたくさん壁を殴ったものです。パンヤでは年始には福袋スレというものがあって、多くの勇者がゴミアイテムに無駄金を投じた様子をスレにUPしてくれたものですが、あれも一種の承認欲求と言えるのかもしれません。あとに残らないので本当にムダなんですが。
 
ともあれ、次に登場するのがようやくDeNAやGREEなわけです。
彼らのやったことは、このモデルをケータイ市場に持ち込んだこと。ケータイにあわせてゲーム自体は軽量化していますが、課金モデル自体は同じです。アイテム課金ビジネスが新しいのではなく、アイテム課金ビジネスをケータイ市場に持ち込んだこと自体が新しく、彼らを彼ら足らしめている源泉です。
ケータイユーザーの裾野はPCユーザーの比ではなく、この「少数の課金ユーザーを探すために、大量のユーザーを集める」手法は大いに花開きました。
 
どれだけいい品物があっても、適切な場所に持っていかなければ価値はありません。アフリカで美しい鯉を育てていても仕方ありませんが、日本に持っていけば好事家が高く買い取ってくれます。中国で松茸を売るより日本に持っていったほうが儲かるでしょう。
品物はそれを欲しがっている人が多くいる場所に持っていくのが商売の基本ですが、DeNAとGREEはいわばモデルの業界間輸出という貿易商社のようなことをやったものと言えます。
 
「何を売るか」だけでなく「誰に売るか」もビジネスの重要な要素であり、モデル自体がそう新しいものでもないことを鑑みると、DeNAとGREEの特殊性はターゲットにしている顧客層にこそ担保されています。商品を変えずに市場を変えて成功した例としては、PSP市場に参入し爆発的に利益が向上したファルコムなども似たケースと言えます。
 
まとめると、ゲーム内の報酬に対する投資というモデルは、かつての月額制ネトゲにおいて水面下で生まれ、アイテム課金ゲーがそれを顕在化させ、モバグリがそれを携帯市場に輸出したものと整理されます。今のソーシャルゲームはこのように歴史的にブラッシュアップされてきているため、モデル自体の足腰は案外強いんじゃないですかね。
 
というわけで一句考えたので聞いてください!!
 
  EAがつき、ハンゲがこねし、課金餅。
  座りしままに食うはモバグリ。
 
もちろん食べ物はいつまでも食べ続けることはできませんし、お餅は喉に詰まって突然死があるので気を付けないといけませんけどね。
ああ、そういえば2年前にお餅が喉に詰まって死んだ業界がありましたっけね。消費者金融って言うんですけどね、知ってます?今息してないらしいんですよ。
 
「上手いこと言ったの!?ぼく上手いこと言った!?ねぇ!上手いこと言った!?」 
「あぁ、面白いよ」 
「本当!?大丈夫なの!?寒くない!?」 
「あぁ、エアコンつけてるから大丈夫だよ」 
「そうかぁ!僕非コミュだから!非コミュだからネタわかんないから!」 
「そうだね。わからないね」 
「うん!でも面白いんだ!そうなんだぁ!じゃぁ笑っていいんだよね!」 
「そうだよ。笑っていいんだよ」 
「よかったぁ!じゃぁ笑おうね!アハハははは!」 
「うん、笑おうね」 
「あぁ!面白いから笑えるね!アハハはははははは!!」 
「うん。もう寝ていいよ」 
「あぁーご主人様と僕はもう寝るよー!読んでくれてありがとうねぇー!」
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