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当たり判定ゼロ(移転しました) シューティング成分を多めに配合したゲームテキストサイトでした

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シューターのシューターによるシューターのための弾幕系STG / StellaVanity

極端に難しい一部のボスの画面だけを切り取って「ほら!こんなに難しくするから初心者が離れるんだ!」的な弾幕系の風物詩を見るたびにFXで全財産溶かしたときの顔みたいになりますが、いかがお過ごしでしょうか。 とはいえ、コア層を客層として抱えるアケシューの難易度が高止まりしているのも事実。「無理というのは途中でやめるから無理になるんですよ」とか言ってる渡邉美樹さんには「では将軍様、それではこの陰蜂を一匹落としてきてください」とお願いしたいところです。

それから数年後……感慨深そうにため息をつくと筐体から振り返り、「ね、やっぱり無理なんてなかったでしょ?」と微笑むヨレヨレのスーツを着た男の姿が。その男は、かつて経営者として栄華を極め、多額の資金をバックに国会議員まで上り詰めた。もうこれ以上望むところは何もないように思えた。しかし、不可能が存在しないことを証明する、この男はただそれだけのために議員のバッヂもワタミ会長の地位も何もかもを投げ捨てて人類初の陰蜂撃破を成し遂げたのだ!!とかやると、感動的な美談として世界中に拡散されて日本どころか人類の歴史に名を残すと思うのですが、いかがでしょうか。この手の話が真偽問わず大好きなFacebookでたくさん「いいね!」がつきそうな感じがしていいね!

ともあれ、難しいから人が来ず、人が来ないから難化するという途上国の貧困の悪循環みたいなことが起こって、ユニセフもいないこの世界で第一人者のケイブですらアーケードから撤退し、スマホでリリースしたドンパッチンで奇っ怪な形状のロボをガチャから出す仕事に勤しんでいます。そんな世の中でポイズンせずにSTGを遊ぼうと思うならば、同人で遊んどけというのはわりと有力な選択肢の一つです。


今日は、お気に入りの弾幕STG『StellaVanity』の話をしようと思っていますが、さっそく先生から皆さんに大切なお知らせがあります。何かというと、いきなりですが先月開発Blogの更新が凍結されてたんですよね。ペロリ、これは……死ん…でる……!あれ…この間まで『StellaVanity2』の開発中SSが掲載されていた…よね……(震え声

というわけで、突然開発が凍結されてしまったり、シリーズで買い続けていたらいつの間にかサークルのページが404しか表示しなくなっており、話の続きが気になって夜が眠れなくなるのも同人にはよくあることですので、遊べるうちに遊んでおきましょう。運営が終わったらそれまでのネトゲにも言えることですし、突然入手できなくなる同人ゲでもそうですが、結果として期間限定でしか遊べないゲームってたくさんありますので、とりあえず全力で遊んでおくのが良いと思うのです。
それはそうと価格が1,260円から735円になったのは朗報ではあると思いますし、たったコイン7個入れただけでこの品質のゲームが遊べるのは素晴らしいことではあるんですが、既に買っている私には全く関係がないので悔しくてディスプレイを歯噛みしているところです。


プレイ画面にはたくさんの計器が表示されており、潜水艦の内部的なロマンがあります。
Hellsinker.とかもそうだと思いますが、この手の計器多めのインターフェイスのゲームって、とかく取っ付きづらめのシステムとセットでやってきがちですよね。

『StellaVanity』はゲーム開始時に「C装備(キャバルリィ・タイプ)」「S装備(ステラ・タイプ)」の二種類から装備を選択でき、それによって全く違った操作のゲームに化けます。要はC装備は攻撃手段の少ないシンプルモード、S装備は多様な攻撃手段を持つ複雑モードですね。「慣れないうちはC装備で…慣れたらSで…」なんて悠長なこと言ってると、特筆すべき特徴のないC装備で遊んでいるうちに飽きます。

独断と偏見まっさかりですが『StellaVanity』の本旨はS装備にこそあります。そういう意味では、先日遊んでた同人STG『機械種子』は、難易度がベリーハード一択しか選択できなかったり、ガワが無駄に男臭いなど一見玄人向けに見えますが、システムはシンプルで、実態は誰でも気軽に遊べる万人向けのゲームでした。一方、『StellaVanity』はシンプルなゲームモードが選べたり、様々な難易度が選択できたりしますが、その実、S装備というシューター向けに最適化されたシステムを持つ点こそが白眉であって、下手にお気軽装備を遊んでもそんなに面白くないはず。これはシューターのシューターによるシューターのための弾幕系STGである、ってかつてリンカーンもゲティスバーグで言ってました。


そう、弾幕系なんですよ。弾幕系。当てる気がないんだかあるんだか3WAY4WAYでばら撒かれる弾幕、大型機を倒すと消滅する弾幕、そして縦穴を降下しながら大型機と戦う展開。基本的にはケイブシューのいろはが文脈になっており、弾幕面においては正統派そのものであり、逆に正統派弾幕が珍しくなった昨今遊んでみると弾幕って素晴らしいやと再認識させられるとともに、上から弾が下に落ちてくるだけで幸福回路が発動するおめでたい頭に生まれて良かったなと思わされます。

弾幕系ってザックリ分けると2つになると思っていて、一つが「弾幕を回避する系」もう一つが「弾幕に干渉する系」。弾幕系が登場した初期は回避系が主流、エスプガルーダあたりから干渉系にシフトしてきたような印象を持っています。避けるだけだとシンプル過ぎて、慣れている人は飽きてしまうという流れだったんでしょうけど、一方で干渉系はシステムが複雑になってしまうという欠点があります。
その点、東方なんかは回避系で押し切ったのが、従来STGを触らない人にも遊びやすい下地になったのかもしれません。初心者がクリアできるかどうかはさておき、操作方法やシステムでの取っ付きづらさはない感じで。神霊廟?……ゲフンゲフン。輝針城でも変化球なシステムが出てきたので、東方も干渉系に舵を切りつつあるのかもしれませぬ。回避系って突き詰めるとイライラ棒になってしまうところもあるのですが、回避のアドレナリンは東方の良いところでもあるので、避けるのが面白い弾幕の方向で進んでくれると嬉しいんですけどね。永夜抄魔理沙の魔空「アステロイドベルト」は今でもご飯3杯はいける。

その整理でいくと、『StellaVanity』はわりと干渉系の色合いが強いゲームです。特にS装備では、敵弾を遅くしたり、衝撃波で敵弾を消滅させたり、近接装備で弾幕を無効化したり、とある能力を発動してボスを倒すとそのまま戦闘が継続してオーバーキルできたりとやりたい放題できます。この辺のシステムまわりの複雑性はありますが、使いこなしたときの爽快感は高い系のアレです。
かつて久米田康治が「ネタは分かる範囲が狭ければ狭いほど面白い」と言っていましたが、ゲームシステムも似たようなもんで、ゲームが人を選ぶようなシステムは、リーチさえしてしまえば心に強く残ります。または、人間のほうが最適化されてしまって逃れられなくなるとも言います。下手すりゃ夢にまで出てきたり目を瞑っても指が動くようになるもんね!こわい!

人の嗜好って型みたいなのがありますよね。大衆化するようなコンテンツは小さい丸みたいなもんで、どんな人の嗜好にも嵌りやすいけど、それで満たされることはない。尖ったコンテンツは歪な形をしているので、誰の嗜好にも嵌りやすいわけじゃないけど、その人の嗜好の形にハマったときは心の多くを埋めてくれるという感じの。『StellaVanity』は攻撃方法は多様で、パラメーターも無駄に多くてややこしいけど、それらは使い方を覚えれば楽しさに化けるし、エスプレイドを彷彿とさせる印象に残る短いフレーズのボス戦音楽、ボスのパーツ破壞感の高さ、弾幕消しでのスコア稼ぎ、ボス戦での弾幕避けが素晴らしくて、今ドキの弾幕ゲーが好きな人向けに作られた感がすごいので、大佐の顔を見て育った人なんかにはちょうどハマる形をしているのではないかと思います。

ゲームシステムと説得力 / 機械種子

夏コミで仕入れてきたゲームをボチボチ消化していたのですが、機械種子(あきら小屋)は大変遊びやすくて良かったです。

「すべての同人STGを未来に変える!」「2013年 最も錆臭いSTG」というイカしたキャッチフレーズのとおり、システムは基本ショットとボムしかないシンプルな80年代風STGですが、マイルストーン作品的なポップな敵キャラの描写や敵弾、見やすい画面、そしてボスの演出等、ユーザーフレンドリーな外面はいかにも最近のゲームのように感じます。レトロな魂に現代的外装というか。

スクウェアやエニックスのRPGで育った人間なので、「この先ハードが進化したらRPGはもっと面白くなるだろう」と胸を踊らせていたものですが、実際にハードが進化した未来に現れたのは、3Dグラフィックでテンポの悪いシステムになった別ゲーばかりでガッカリしていたところに、ファルコムが『英雄伝説 空の軌跡』をリリースして「これだよこれ!」となった感じに似ています。『機械種子』は「今の技術で昔のゲームを作ったらこうなるよ」という答えの一つです。

操作が2つしかなくサクサク遊べるので、ノーストレスでリスタートを繰り返せるのも魅力の一つ。ほら、最近のSTGだとよくあるじゃないですか。久々に遊んだら「あれ……この機能なんだっけ」みたいなの。操作が2つしかなければそんなこともなくて安心です。ショット!ボム!おわり!安心!


『機械種子』はとても男らしいゲームなので、ストーリーは機械帝国に地球が侵略されて、たった一機の戦闘機で敵陣突入しなければならない絶望系STGのテンプレみたいな状況から始まります。男らしくて大変良いですね。また、難易度はVeryHardしか選択できません。男らしくて大変良いですね。

主人公は桃山吹雪少尉。設定から言葉を借りるとこんな男です。


その身体能力は常軌を逸しており身の丈十尺の人食いヒグマを徒手空拳にて昏倒せしめるほどである

ヒグマ……一体なぜこんな無意味な設定がSTGに必要なのか……!ヒグマを空手で倒せるから何なのか。なんだこれと思って私もゲラゲラ笑いましたが実はこれは必要な設定だったのです。

自機はライフ制で、1発被弾するたびに戦闘機のバリアが失われる仕組みです(初期でバリア2枚)。バリアはわずかながら自動回復しますので、バリア1枚で粘り続ければそのうちバリア2枚まで回復することができます。ただ、この自機、スペック自体はそんなに良くなくてわりと前に張り付かないと敵のザコラッシュに押し負けてしまいます。じわじわと減っていくバリア…。このまま圧倒的な物量の前に屈してしまうのか…。しかし、自機には最後のバリアが失われ、絶体絶命のピンチになったとき発動する機能「YAMATO SOUL」があるのです。


安全装置解除 機銃エネルギー供給250% 緊急攻撃態勢に移行
常人ならば機体の振動と発熱により操作不能に陥るが
桃山吹雪ならば!このピンチを大和魂で切り抜ける!
安全装置解除により攻撃力2.5倍という狂った破壊力は、ボスに密着射撃でもしようものなら一瞬で墜ちるバランスになります。
ピンチになればなるほど攻撃力が上がるシステム自体は珍しいものではありませんが、その理由付けはセガール的で大変説得力があります。というか無駄に熱くて好きです。だって機体の振動とか発熱とかでウボオアアアアアってなりそうですが、確かに言われてみれば大和魂さえあればなんとかなる気がします。
また、4面以降はプロペラ機で当たり前のように宇宙空間に飛んでいってしまいますけど、身の丈十尺の人食いヒグマを徒手空拳にて昏倒せしめる日本男児だったらそれくらいできる!と言われればそんな気もしてきます。



ゲームシステムはダメだけどストーリーは良いとか、その逆とかよく聞きますけど、『機械種子』のようにゲームシステムの理由付けにストーリーがリンクしていると片方だけが破綻することはないですし、鈎爪で心のどこかにひっかかる説得力を持つゲームになります。

アメリカンなめこことCookieClickerも、ただ数字が増えていくだけのゲームなんで別にババァが焼いている必然性はないのですが、統一意思の反物質ババァがクッキーを焼いているというストーリーがシステムとリンクしていたからこそ面白くて流行ったんじゃないですかね。

ミクロネシア連邦にヤップ島という島があるのですが、その島では石が通貨として使われていて、石の貨幣価値は、大きさや形ではなくその石がどのように運ばれてきたかというストーリーによって決められるそうです。ビジネス書とか読むと「付加価値をつけるために商品にストーリーを付けろ!」とかよく書いてます。ただ野菜を売るだけじゃなくて、どのような技術で作られたものであるかを説明して、納得して高い金を払ってもらう。そんなこと言われなくとも、昔からヤップ島の人たちはストーリーの持つ価値に気がついていたんでしょうね。

思い起こせば、我々自身の人生においてもストーリーは重要な役割を果たします。
たとえば就職活動では、企業は我々の履歴書を見て、そこに書かれたストーリーによって人の価値を判断します。ですから、我々はテニス部で部長を務めて部の皆を一丸にするためにこんな工夫をしましただの、バイト先で売上を伸ばすためにこんな工夫をして成功しましただの、高そうなスペックを想起させるストーリーを考え、自らに付加価値をつけて売り込む必要があるのです。そう、重要なのはストーリー。ヤップ島の石貨のように大きさや重さなどは参考情報に過ぎません。ストーリーの威力でスペックを装飾して、面接という儀式を蹂躙してやればよいのです!

そして一通り熱く話を語った後、面接担当者の口からこんな言葉がこぼれました。
「この空白の1年は何をされていたのですか?」

……ストーリー偏重主義の弊害がこんなところに。

東方輝針城雑感

・とりあえずハードまでクリア。東方を遊ぶのは、年に一回自分がどれだけSTGの腕が落ちたかを確認する作業みたいになってる。

・霊夢が1ボスで「なーんだ。雑魚じゃん」2ボスで「雑魚が粋がってるんじゃないわよ」と暴言吐きまくっており、東方っぽい感じがする。

・魔理沙はまだ壊れたガスコンロ使ってるんですかね。カチカチカチカチ。というか効果音が神霊廟と同じなので全体的に目新しさ感が低い。

・目に見えない弾に当たり判定があってピチュるとかいう噂を聞いた。言われてみれば確かに妙なタイミングで当たったことが何度かあったけど、弾を認識できてなくて当たってるのか見えない弾だったのか区別がつかないね!あとルナでも進行不可能になるバグがあるとか。

・バランスとしては、最近の東方シリーズの傾向に漏れずボムゲーになってる。特に魔理沙Bの狂ったライフ・ボム回収率がバランスブレイカーの様相を呈している。体験版との違いは、スペルカード中にボムをぶつけてもPを吐き出さなくなったくらい? レザマリ・バグマリ系のルナティック救済機体になりそう。どうして魔理沙ばかりこんなことに…。

・東方は、元々回避の快感に優れたゲームなんで最近のボムゲーっぷりは角を矯めて牛を殺しているような気がするんだけどなぁ。回避で稼ぐのはリスクの増加とセットなのでスリルがあって楽しい。妖々夢でのリポジトリ・オブ・ヒロカワの稼ぎは未だに東方システムの白眉だと思ってます。

・5ボスのストレス感が高くて、それほど繰り返して遊ぶことは無さそう。プレイヤーの技量不足でミスったならまだやり直そうという気にもなれるけど、そもそもプレイヤーに実力を発揮させないようにするシステムは窮屈。怒首領蜂大復活のビット地帯と似たような印象がある。

・一方Extraは素直で敷居が低く、遊びやすい。ボスのデザインいいと思います。神主はネクタイキャラのデザインさせると、神主どころかゴッドになる。

・いろいろあるけど咲夜さんが自機として使える上に、A機体の攻撃がカッコいいので良ゲー。

秒速2640ピクセルの弾速 / AuroraBlast2

子供の頃、「しばらく試験勉強に集中するから邪魔をしないでほしい」と母親にそっと告げて、静かな自室で優雅にアニメを鑑賞していたところ、ブラウン管の中でストレイト・クーガーという偉い人がこう言っていました。「お前に足りないもの!それは!情熱!思想!理念!頭脳!気品!優雅さ!勤勉さ!そして何よりも!速さが足りない!!」
なるほど。この教えは、情熱よりも理念より勤勉さよりも、速さこそ最もプライオリティが高く、我々が優先して解決すべき課題であることを示しているわけです。確か作家の奥田英朗あたりが「小学生のヒエラルキーはかけっこの速さで決められている」と言っていたくらいですし、私も未だに脳みそが小学生のまま進化していませんので足の速い奴に会うと生物としての格の違いを感じて、思わず倒れこんでお腹を見せたくなります。
速さこそが重要であるという主張は、主観的な思い込みではなく客観的な事実として、我々は至るところで目にすることができます。
たとえばAC版北斗の拳でジョインジョイントキィという表現が生まれるほど恐れられたトキ、彼がなぜゲーム内屈指の強さを誇ったのか。それは、彼が誰よりも速かったからです。ウイイレのマスターリーグの初期チームでなぜババンギダが多くのプレイヤーに愛されたのか。それは彼が誰よりも速かったからです。ほか、ナポレオンの大陸軍(グランダルメ)、イチロー、東方緋想天初期ロットの射命丸など、速さこそが全能であると教えてくれる存在は枚挙にいとまがありません。
「速さこそがすべて」。 そのような考えに基づいて作られたのが、弾銃フィーバロンであり、ストライカーズ1945だったのです!と先ほど思いついたのは私の妄想ですが、これら過去の高速弾STGを上回る弾速の同人STG「AuroraBlast2」の話をしてみます。(製作者Blog
このゲームは人類史上最速のSTGの謳い文句を冠するだけあって、何とその弾幕速度は、「弾丸瞬間最高速度秒速2640ピクセル」にも達するのです!
秒速2640ピクセル…。なんという恐ろしい速度でしょうか。時速にすると9,504,000ピクセルにもなります。凄い!ど、どれくらいの距離かというと…。ええっと……このディスプレイの解像度が1920×1080だから……と、とにかく速いのです!サラマンダーより速いのです!なんということでしょう!こわい!余計なことまで思い出した!
同じ高速弾STGでも弾銃フィーバロンとの最大の違いは、プレイ中にフィィィバァ~!とかいう奇声が再生されない点と、ダンスエナジーが存在しない点で、(わりとボムは多めに手に入りますが)基本的にガチで避けねばなりません。しかもフィーバロンより速い弾を。また、敵の装甲は紙のように柔らかく、風船のようにパンパン弾けていくので、殺るか殺られるか感が強くて良いです。
こういう尖りに尖ったSTGとしての極北みたいなゲームがサラッと出てくるのが、個人製作である同人の良いところですね。どう考えてもウメハラの反射神経でも避けられねぇだろこれ、みたいな弾が目白押しで初見殺しのエレクトリカルパレードやで~状態。その代わり、あのHellsinker.を遥かに上回るペースでエクステンドが発生しますので、「良く食べて良く出す」という快食快便的な感じで健康的に死んだり生き返ったりできます。
実際のところ秒速2640ピクセルはあまりに速すぎるがゆえに、弾を目で追って回避するのは人類的に困難。「無理というのは途中でやめるから無理なんです」とか言ってたワタミ会長に「オラ、目視で避けてみろや」と迫ってみたいところです。昔、空想科学読本で「ビームライフルってビームなんだから見えたということはそれは当たっているということなんだよ!」みたいな指摘がありましたが、そんな感じ。見えたら死んでます。
実際のところ、あまりに速すぎるがゆえに、何が起こっているか理解するのは困難ですが、こういう時に役に立つのがSTGの文法です。STGの文法には「奇数弾はチョンよけ」「偶数弾は動かない」など色々ありますが、AuroraBlast2では、多くの敵が自機狙いの弾を撃ってきますので、敵の弾なんて見てないでとりあえず経験則に照らして8の字で避けていれば案外避けられたりします。自分でも何をどう避けているのかさっぱり理解してないけどなぜか当たらないみたいな状況でステージを進められます。
自分が弾を避けている気がしないので、まるで弾が自分を避けている気分になります。つまり神の気分になれます。やったね!
「派手な弾幕をなんとなく避けられて俺SUGEEE」を体験できる快感は、自機の当たり判定を小さくした弾幕STGが開拓したフロンティアでした。適当に動くことで光の速さの弾幕をヒュンヒュン避けれて俺SUGEEEできるAuroraBlast2は、アプローチの方向としては似てるのかもしれません。
ところで本作でわりと好きなのがこのネーミングセンスで「殺戮装置 ザスチュラス・エグジュームド」とかいうクソイカス名前がエッジが効いててクソカッコよすぎて漏らしそうです。しかも「殺戮装置」って二つ名があるのがいいですね。前々から思っていたのですが、我々の社会でも二つ名を採用するといいのではないでしょうか。そしたら「殺戮装置 鈴木一朗」とかいう人がいたら、「あぁこの人は殺戮装置をされてる方なんだな」ってひと目でわかってコミュニケーションがローコストになってお得です。

「弾が避けられないなら、画面を回せばいいじゃない」と彼女は言った / Revolver360

「シカクいアタマをマルくする」って日能研のキャッチフレーズがあるじゃないですか。この発想をもっとも必要とするのが、まさしくゲームであるところで、STGにおいても、ただ敵弾を避けるだけではなく敵弾との同化で回避できる斑鳩や、捕まえた敵を放り投げて敵弾を消すトリガーハートエグゼリカのような、弾を避けるという発想からの脱皮を図ったゲームがあります。

今回は「弾が避けられないなら、画面を回せばいいじゃない」という発想をゲームに落とし込んだRevolver360の話をしようと思います。アイディアというのは、それそのものよりもそれを実現する方法の方が重要だったりしますが、Revolver360のアイディアの実現は見事にゲーム性と融和しています。

というか2010年にXbox360インディーズゲームで出てたのに見事にスルーしてしまい、2012年に出たPC版で初めて遊んだんですけどね。今考えればなぜスルーしてしまったのか。やってしまったっ……!さすがのりくぜんもこれには猛省っ……!素直に360版を遊んでおけばよかったですね。面白いです。

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さて、Revolver360。(公式サイト
ゲームのインストールフォルダにあるreadme.txtの説明を借りると、こうあります。

このゲームは避けられそうにない弾幕も視点を回転させる事によって
避けられるようになる、がコンセプトのシューティングゲームです。

「弾が避けられないなら、画面を回せばいいじゃない」と、マリー・アントワネットが実際に言ったかどうかは定かではありませんが、横シューであるRevolver360は、自機を軸にして画面を回転させることができるという特徴的なシステムを持ちます。
画面の回転は何に使うかというと、まず一義的には敵弾を一列にまとめることで回避するという使い方になるのですが、一方で、まとめた敵や敵弾をレーザーでスパっと切り裂くことが可能なわけです。また、画面上下に分散して登場した敵も、画面を回転させれば真ん中に集めてレーザーで一網打尽。Revolver360は、これが最高に気持ちが良いのです。

この回転って機能、文章だとニュアンスがわかんないと思うので、ゲームのHowToPlayから画像を借りるとこんな感じ。

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画像だとスピード感がわかんないと思うので、動画を借りるとこんな感じ。

動画ってのはスピード感が伝わってきて凄いやね!あたしも生まれ変わったら動画職人になってMMDとか作ってモテたい!

ともあれ、思えば、人は「まとめて消す」ということに快感を覚える傾向があります。
おそらくその「まとめて消す」快感を追求してゲームにしたものが、たとえばテトリスであり、ぷよぷよであるわけです。その線から行くと、「世界をまるっと全部無に返す」と主張していたネオエクスデスさんは、快楽に大変素直な方であろうなぁと思いましたが、その危険思想が災いし、みんなの迷惑だからと全体主義者たちによってブチ殺されてしまいました。個人の快楽の追求は、他人の自由とトレードオフの関係である場合が多いのです。

身体の安全を鑑みると、やはりそういう欲求は代償行為としてゲームで求めるべきであり、戦争はやめてCoDでRPGをぶっ放すべきであり、レイプはやめてエロゲをやるべきであり、ネオエクスデスさんも世界を消すのはやめてぷよぷよでも遊んでおけば良かったのです。

したがって、一刻も早く愚かな人類を滅ぼしたくて仕方のないあなたは、Revolver360をやって適当に代償行為を求めるのが良いと言えましょう。それこそがあなたと世界をWin-Winの関係にする唯一の方法なのです。

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最近のゲームらしくインターネットランキングに対応していますが、公式サイトのランキングページにデータ連携しているのがいいですね(左がゲーム内ランキングページ、右が公式サイトのスクリーンショット)。
こういうのってtwitterのIDとか入力しておくと、ランキングページからtwitterに自動的にリンクを貼られるメカニズムとかあると、スコアが誰のか特定できてネトヲチが捗るし、プレイヤー側の承認欲求も満たされて良いような気もします。や、技術的な難易度とかさっぱりわからんので、完全な思いつきですが。

WS03757.jpg

ところで、Revolver360のレーザーは敵弾を消すことができますが、それが連射できては当然ゲームになりませんので、一射すると3秒程度のインターバルが必要となります。わりと敵弾が多く、弾速の速いゲームですので、わずかそれだけの時間で自機は窮地に陥ります。「もうあかん」と思うくらいのタイミングで次のレーザーが射出可能となり、自機は何とか難を逃れます。

ゲームはプレイヤーにストレスをかけ、プレイヤーはそれを解消してカタルシスを得るという繰り返し。これこそがゲームです。どうもRevolver360はそのタイミングが絶妙に設定されており、そのように計算しつくされた悦楽を繰り返し得ていると「あぁ我々は口を開けているだけで餌を与えられる人間牧場に生きているのだ。こうして我々は適度に快楽を与えられ、ご飯を食べ、うんこをして毎日を過ごし、みな死んでいくのだ…」というニヒリズム的な何かが脳を侵食してきて、ルーチンの生活が辛くなり明日会社に行きたくなくなります。それくらい、このゲームにおける3秒のレーザーインターバルは、計算された感のあるタイミングですげえです。ただ付け加えると、Revolver360を遊ぶ前から会社には行きたくなかったことを思い出しました。

年末のC83では続編の「Revolver RE:ACTOR」の体験版が出るとか
最近Caveがちっとも新作出してくれないので、同人界隈がシューターの栄養補給的な点滴となりつつある側面はあります。最近STG分が足りていないと思う人は、同人STGまとめwikiにC83の頒布一覧がありますので、ビビッと来たものを遊んでみましょう。

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